大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

横浜家庭裁判所 昭和34年(家イ)688号 審判

(国籍 朝鮮全羅北道益山郡 住所 横浜市)

申立人 金イチ(仮名)

(右に同じ)

相手方 金定永(仮名)

主文

当事者間において昭和二五年一月二三日付群馬県○○市長に対してなされた届出による婚姻は無効である。

理由

本件調停委員会の調停において、当事者間に主文同旨の合意が成立し、申立人と相手方との昭和二五年一月二三日群馬県○○市長受附の婚姻届出による婚姻は重婚であつて無効であることに争いがないので、当裁判所は事実を調査した結果相手方は、朝鮮に国籍を有する朝鮮人であるが、同人が本件申立人と婚姻する以前、相手方は、本籍朝鮮益山郡○○○○○六三番地戸主李清栄参女明月と檀記四二七六年(昭和一八年)六月一八日に正式に婚姻していることが明かである。而して、韓国法によれば、重婚は当然無効であるから相手方が既になした前記明月との婚姻関係を継続したままの前記後婚は無効といわざるを得ない。よつて、主文のとおり合意に相当する審判をする。

(家事審判官 菊沢保節)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例